推進工事でよく聞かれる悩みのひとつに、
「最初は良かったのに、途中から押せなくなる」 という現象です。
この原因は、土質によるものではなく
👉 滑材の“効き方”の違い にあるケースが少なくありません。
今回は、
・一般滑材で推進力が上がってしまう理由
・こんにゃく充填剤で低推進力を維持できる理由
を、仕組みから分かりやすく解説します。
目次
一般滑材の「推進力が上がる」メカニズム
まずは、従来の一般的な滑材の挙動を見てみます。
注入直後はよく滑る
一般滑材は液体成分が多く、注入直後は推進管と地山の間に広がるため、一時的に摩擦は下がります。このため、施工初期は「問題なく押せている」ように見えます。
時間とともに滑材が逸失
しかし、時間の経過とともに、滑材の液体成分は徐々に逸失していきます。
地山が締まり、推進管に接触
滑材が逸失すると、推進管と地山の間にあった ボイド(隙間) が埋まり、
・地山が管にせり込む
・摩擦抵抗が急上昇
結果として、
👉 推進力が急激に上がる
👉 施工後半で「押せなくなる」
というトラブルにつながります。

こんにゃく充填剤の「低推進力を維持し続ける」メカニズム
次に、こんにゃく充填剤の場合です。
半固形ゲルがボイドを守る
こんにゃく充填剤は、液体ではなく 半固形のゲル状。
そのため、
・地山に流れにくい
・管周囲にとどまりやすい
・礫を支える
という特性があります。
これにより、ボイドが長時間維持されるのが大きな違いです。
DDS機能でヌメリが“持続する”
さらに、こんにゃく充填剤には独自の DDS(ドラッグデリバリーシステム)機能 があります。
これは、
・長期間に亘ってヌメリ成分を安定的に放出する
という仕組みです。

結果として、
✔ 初期だけでなく
✔ 施工中盤〜後半まで
摩擦低減効果が続く ようになります。

2つの違いを一言で言うと
一般滑材:
👉 最初は効くが、途中で効かなくなる
こんにゃく充填剤:
👉 最後まで摩擦低減効果が続く滑材
この差が、長距離施工・難地盤施工で大きな結果の違いになります。
1スパン目と2スパン目の推進力の比較(施工事例)
| 【現 場 概 要】 管径:Φ1200mm 推 進 延 長:370m 土質:粘土層 土被:6m 工法:泥水式推進工法 |
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<推力比較結果>
本現場では、1スパン目と2スパン目で使用する滑材を変更したことで、推進力の挙動に明確な違いが確認されました。
1スパン目(一般滑材使用)
1スパン目では、推進開始当初は問題なく進行していましたが、推進距離が60mを超えたあたりから縁切り推進力が上昇し始めました。
その後も推進力は徐々に増加し、140m時点で推進が困難となり、やむなく立坑を掘削してマシンを回収する対応を余儀なくされました。
その後、こんにゃく充填剤に切り替え無事到達することができました。
2スパン目(こんにゃく充填剤使用)
2スパン目では、発進直後からこんにゃく充填剤を使用しました。
その結果、
・推進初期から安定した推進力を維持
・1スパン目で見られたような 推進力の急激な上昇は発生せず
施工後半においても大きな推力上昇は見られず、無事に到達することができました。
この施工事例から分かること
この比較から明らかなように、初期は問題なく進めていても、施工が進むにつれて推進力が上昇するかどうかは、滑材の違いによって大きく左右されることが分かります。
特に本事例では、こんにゃく充填剤を初期段階から使用することで、推進力の急上昇を抑制できたという点が、明確な結果として現れました。
まとめ
推進工事におけるトラブルの多くは、「施工後半」で起こります。
こんにゃく充填剤は、ヌメリ成分を持続的に放出し、ボイドを保持、地山との直接接触を防ぐことで
低推進力を長期間維持できます。
👉 「後半が不安な現場」ほど、効果を実感しやすい滑材です。
